ポルシェ・タイカンは、ポルシェが製造する電気自動車(BEV)である。
タイカンとはトルコ語で「活発な若い馬」を表す言葉であり、ポルシェの紋章として使用されているシュツットガルトの馬の紋章より着想を得たとされている。
急速に進む電動化の時代に送り出されたタイカンの反響は大きく、高性能BEVの世界でもひときわ存在感を放つモデルだ。
2021年のグローバル販売台数は、いずれも8万台強を達成したマカンやカイエンらのSUVの2台に次いで、41,296台を売り上げた。
この数字は911を上回る数字である。
タイカンのデザイン
一目でポルシェとわかるデザインを採用しながらも、空力にも優れており、ポルシェ全車の中でも最良となる0.22のCd値※1を誇る。
高温になる排気系の配管が存在しない強みを活かし、アンダーフロアは完全フラット化され、大きなリアディフューザー※2を備えている。
独自のアクティブエアロダイナミクスシステムやエアロサスペンションによる車高調整機能に加え、空気抵抗と揚力を抑えた空力効率を実現した。
※1 Cd値:車の空気抵抗を計算するときに必要な係数。空気が流れるようなデザインの車のほうがCd値は低くなる。
※2 リアディフューザー:車体のアンダーパネル後端に取り付けられるエアロパーツの一種。車両前面から車体の下に取り込んだ気流を後部からスムーズに排出させる役割を担う。
室内のインテリアも特徴的で、ダッシュボードとトリムは新しく、操作しやすいようにデジタルタッチスクリーンが君臨している。
タイカンのバッテリー
システム電圧が一般的なBEVの2倍となる800Vになっている。電圧はが高いほど電流は少なくなるため、バッテリーやモーターの発熱が少なくなる。
性能の劣化を最低限に抑えながら、素早い充電が可能にし、400km以上の航続距離を実現した。
しかもタイカンは、急速充電器を使って、22分でバッテリーの80分が充電可能になっている。
ターボ及びターボSに標準で搭載されたバッテリーは93.4kWhもの大容量を誇り、徹底した温度管理がされているのだ。
モーターには軽量かつ性能で有利な同期式を採用し、リアアクスルに独自の2速トランスミッションを組み合わせている。
低重心のEV
タイカンは911より最低車高と低重心になっている。ここまで低い位置に搭載することは画期的である。
足回りにも最新の機構が組み込まれており、状況に応じたドライビングを実現した。
よって、見た目はもちろん、走りでもポルシェらしくなっているのだ。