一度は乗ってみたい空冷ポルシェ


空冷ポルシェとは

1963年ポルシェのスポーツカーである「356」の後継車種として生まれたのが「911」。この911の901型、930型、964型、993型が空冷ポルシェとなる。
5代目となる996型以降から水冷化の道を進み現在に至るが、今でも空冷ポルシェは絶大な人気を誇っている。

空冷ポルシェの魅力

空冷ポルシェの魅力としてエンジン音が挙げられる。
水冷エンジンでは絶対に聞くことができない強制ファンとマフラーが奏でる独特の乾いたような音が絶大な人気だ。
また、空冷エンジンでしか体感できないステアリングやブレーキ操作も一度知ってしまえば忘れられなくなるほど。
空冷ポルシェは最高のポルシェといわれるほどの評価があるのも頷ける。
そんな空冷エンジンを90年代までこだわっていたポルシェだったが、様々なハードルを越えられず断念。水冷エンジンへ移行していった。
そんな空冷エンジンを搭載したポルシェ911シリーズは非常に高く評価され、価値が高騰している。水冷エンジン搭載のモデルと比べて高値で取引されることも少なくない。
特に欧米では人気がうなぎのぼりのため、日本国内の水冷ポルシェが欧米へUターン輸出されるほどだ。

空冷エンジンの仕組み

エンジンからの熱に対して空気を使って排熱する方法をとっているのが空冷エンジン。シンプルな冷却方法であるといえるだろう。
空冷エンジンには自然空冷式と強制空冷式の2種類があり、自然空冷式はエンジンのシリンダー外部に冷却フィンを取り付け、走行風などの外気を当てることでエンジンの熱を冷却する。
しかし、空冷ポルシェのようにリアにエンジンを搭載しているレイアウトでは直接空気を当てることができない。
そこで、冷却ファンなどを使って空気を当てたり、エンジンルームに空気を流しこんだりしてエンジンの熱を強制的に排熱する強制空冷式を採用している。
メリットとしては、構造がシンプルなため製造コストを抑えられ、尚且つ頑丈なエンジンになる。さらにメンテナンスしやすい。
一方、水冷式に比べて冷却性能が劣るため、温度コントールが難しく排ガス規制への対応が難しくなっている。騒音も大きくなってしまうデメリットがある。

走行性能やデザインなど空冷ポルシェを上回る車はたくさんあるが、かつて空冷で今の時代を築きあった空冷ポルシェは、他の車では味わえない歴史が感じられるだろう。
空冷ポルシェとは多くの魅力の詰まったスポーツカーなのだ。