ケイマンはボクスターの屋根付きバージョン。名前のケイマンは中南米に生息するワニ(Caiman)に由来を持ち、鋭敏と俊敏性を意味しているそうだ。
ポルシェを代表する911に比べ、新車でも価格が1,000万円を切るなど、ポルシェのエントリーモデルとして人気を集めている。
価格は抑えても、高い走行性能を実現しているのが魅力といえるだろう。
エンジンを運転席のすぐ後ろに搭載するミッドシップというレイアウトが、安定性を高めている。
987ケイマン
初代のモデルで、車体前半部のデザインはボクスターと同一で、バンパーやヘッドライトなど一部変更することで差別化を図っている。
スポーツカーの魅力を凝縮したような車で、最もベーシックなグレードでもスポーツカーの醍醐味を満喫できるだろう。
走る曲がるといった走行において、基本の動きに対する操作性がよく車への連動性も素晴らしい。
乗り心地は一般車と比べて硬めだが、不快に感じることはないだろう。
スポーツカーにもかかわらず積載性が高く、フロントトランクがあるのも魅力的だ。
981ケイマン
2012年に販売された2代目モデル。力強い走りとコーナリングなど安定感抜群に走行できる。
シャーシの素材もアルミニウムを採用し、軽量化しつつもしっかりとした走行が可能だ。
すでに生産終了しており、水平対向6気筒自然吸気エンジンを積んだポルシェらしいサウンドが聞ける最後のモデルとなった。
そのため、中古価格が値上がりしている。
最新モデルである718ケイマン
3代目となる最新モデルはボクスターとともに2016年に導入。これまでの水平対向6気筒自然吸気エンジンから水平対向4気筒ターボエンジンに変更されている。
718という数字の由来は1950年代までさかのぼる。ポルシェ550の後継として誕生し、1958年ル・マン24時間レースで優勝したレーシングカーが718と呼ばれていた。
このレーシングカーは水平対向4気筒エンジンを車体中央付近に搭載しており、安定した走行性能を実現。
時速100kmまでの加速はMT仕様で5.1秒、PDK(AT)仕様で4.9秒。高速道路やサーキットでの走りに定評がある。
気になる燃費も大幅に改善しており、歴代のケイマンが平均8.6km/Lなのに対し、718ケイマンは11.6km/Lに達する。 これは平均値なので高速道路での走行ならさらに数値はよくなる。
718の称号を冠したことで、ケイマンはポルシェを代表する車種になったといえるだろう。
新車価格は729~1,113万円となっている。